リオン・ドールの挑戦の歴史
専務執行役員 管理部門管掌 佐瀬 誠一
130年以上の歩みを
支えてきた、「失敗の自由」
の精神
リオン・ドールが社訓に掲げる『失敗の自由』という言葉。
「失敗」と聞くと、できれば避けたいと感じる方が多いかもしれないが、リオン・ドールの解釈は違う。
「失敗はただの終わりではなく、新たなスタート地点。新しいアイデアや取り組みを積極的に試し、その中から学ぶことで初めて次のステップに進む力を得られると考えています」と、専務執行役員の佐瀬誠一。そして、この「失敗の自由」の精神は、失敗のリスクを取らずに現状を維持するのではなく、常に挑戦と変革を重ねてきたリオン・ドールの130年以上に渡る会社の軌跡に、そのまま見ることができる。
漆器業から洋品店へ。
時代を先取り、大胆な
業態転換を
図る
今でこそ地域の人々の暮らしに欠かせないスーパーマーケットとして、100店舗を展開しているリオン・ドールだが、その起源は明治25年(1892年)に喜多方菅原町に誕生した「小池漆器店」へと遡る。会津の伝統産業である漆器業の製造問屋として、順調な歩みを続けていたものの、戦後間もない昭和23年(1948年)、大きな転機を迎えることとなる。漆器業から手を引き、会津の神明通りに洋品店『ライオン堂』として、大胆な業態転換を図ったのだ。当時としては珍しく、靴のまま入店できるハイカラなライオン堂は大きな話題を呼んだという。会津地方では前例のない業態への改革。経営陣にとっても従業員にとっても未知の世界への挑戦だったが、「失敗の自由」を合言葉に、さらなる成長と変貌を遂げていくこととなる。
スーパーマーケットとしての
現在地に至る変革
その後、高度経済成長期真っただ中の昭和36年(1961年)には衣料品と並行しながら食料品の取り扱いを開始したライオン堂。衣食住全てが揃う総合スーパーが重宝された時代の流れに乗って成長を遂げながら、1990年台前半には「これからの時代は衣料品ではなくもっと食品に力を入れるべき!」と、食品中心のスーパーマーケットへと舵を切る。
「食品に特化したスーパーに変えた時には、周りからは異端児に見られたかもしれません。でも、昨今の小売業を取り巻く状況を見ても、時代の変化をいち早く察知した当時の大胆な決断が会社を良い方向に導いたのは間違いないと思います」。
現状にとどまらずに挑戦を続けてきたリオン・ドールの歴史をこう振り返る佐瀬。
平成13年(2001年)に現在のリオン・ドールへと社名も変更してからも、挑戦を大事にする社風は全く変わっていない。
挑戦と変革の中でも変わらない、「良い会社を創る」
という目標
時代に合わせて業態や社名さえも変えながら、挑戦と変革を続けてきたリオン・ドール。その姿は、一見すると柔軟でしなやかな企業体制に映るかもしれない。だが、そうした側面の一方で、企業として掲げている目標はいつの時代も一貫して変わることがない。
「私たちの目標は“良い会社を創る”こと。業務改革や変革はそれを実現するための手段であり、長期的な成功を確保するための重要なステップだと捉えています」。リオン・ドールの挑戦への想いについて佐瀬はこう話す。さらに、誰にとっての“良い会社”なのかも大事だと佐瀬は言う。「企業や従業員にとっての“良い会社”を目指すのはもちろんですが、お客様や地域、取引先にとっても“良い会社”を目指しています」。
「失敗の自由」の背景にあるのは、関わる全ての人を幸せにしたいという、確固たる信念なのだ。
「失敗の自由」の文化が
従業員の成長にもつながる
数多くの店舗で店長を歴任し、現在は管理部門管掌を務める佐瀬。長年、人を育てる仕事に携わってきた彼から見ても、従業員の成長とモチベーションの向上にも「失敗の自由」は欠かせないという。
「新しい挑戦に取り組むことで、やりがいを感じることができると考えています。もちろん、挑戦にはリスクが伴いますが、失敗が許される環境を築くことが重要です。たとえ失敗したとしても、チーム全体で原因を探って次につなげる。チャレンジは全力で応援しますし、そうした環境を整えることが私の務めだと思っています」。
実際、SNSを使ったイベントの発信や、全国のお惣菜のコンテストで入選した馬肉入りのメンチカツのアイデアなど、若手社員が率先してチャレンジした成功事例は、枚挙にいとまがない。これからのリオン・ドールを引っ張る人材たちにも「失敗の自由」の文化は、しっかりと息づいている。
地域にとっての
「輝く獅子=リオン・ドール」で
あるために
少子高齢化・人口減少が加速するこれからの時代に備えたサテライト店舗の展開に、グループ会社の拡充による競争力の強化…。「失敗の自由」が支えるリオン・ドールの挑戦は、現在ももちろん進行形だ。
「スーパーマーケットは地域のライフラインでもあります。会社としての利益を求めながら、地域社会に貢献できる唯一無二のスーパーマーケットを目指しています」。
「リオン・ドール」はフランス語で「光り輝く獅子」を意味する。その名にふさわしい存在であり続けるために、リオン・ドールがこれからもチャレンジ続けていくことは、間違いないだろう。「失敗の自由」をそれぞれの胸に秘めながら―。
専務執行役員 管理部門管掌佐瀬 誠一(さぜ せいいち)
1991年 | 入社 販売部 畜産部門配属 |
---|---|
1995年 | 商品部 畜産バイヤー |
2003年 | 販売部 店長 |
2007年 | 人材教育部 マネジャー |
2012年 | 販売部 店長 |
2017年 | 販売部 GM |
2019年 | 常務執行役員 販売部管掌 |
2022年 | 常務執行役員 人材教育部管掌 |
2024年 | 専務執行役員 管理部門管掌 |