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人口3,000人の小さな町に、
持続可能なスーパーを作る

執行役員 営業部 CXD管掌 住川 和行 Sumikawa Kazuyuki

時代の流れに逆行し、
過疎地域に新規店舗を開店

福島県耶麻郡磐梯町。福島県のシンボル、磐梯山の麓に位置し、豊かな自然を活用した観光業が主要産業のこの町に、2021年に「リオン・ドール磐梯店」がオープンした。町内唯一となるスーパーマーケットの誕生。これまで、隣の町まで時間をかけて買い物に出かけていた地元住民にとって、待望の出店である。その一方で、磐梯町の人口は約3,300人…。少子高齢化の例に漏れず、年々人口減少が続いている地域だ。通常、この市場規模のエリアに新しいスーパーをオープンさせるのは、業界の常識とは逆行している。それにも関わらず、リオン・ドールが新規開店に踏み切ったのには、「地域にとっての食のインフラを支える」という会社が掲げる目標を果たすと同時に、「そういった地域でも利益を出しながら店舗を運営していける」という、確かな勝機があったからだ。

「食を通して地域を豊かに」
する仕事に魅せられ、
転職を決意

一見、無謀に映るこの挑戦のキーマンとなったのが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進室」「デジタルマーケティング室」「CX(コーポレートトランスフォーメーション)推進室」の3つの部署の管理を任されている住川和行だ。リオン・ドールには中途入社の住川だが、意外にも入社するまでは、スーパーに対してネガティブな印象を持っていたという。
「私も町に1軒しかスーパーがないような田舎の出身ですが、雑然としていて品揃えや美味しさもあまり良くない印象があったんです」。
そんなイメージを180度変えたのが、奇しくも住川の地元にオープンしたリオン・ドールだった。
「品揃えも豊富だし、鮮度も味も大満足でした。周りの人もみんな喜んでいて、食を通して地域を豊かにできるスーパーマーケットの仕事に魅力を感じました」。
この出来事がきっかけで転職を決意した住川にとって、自身の転機とも重なる磐梯店の立ち上げには並々ならぬ思いがあった。

DXを導入し、生産性の向上に
取り組む

前述した通り、現在は3つの部署の管理を行っている住川。それらに共通している目的が「生産性の向上」だ。
過疎化が進む地域に新規出店するとなるとなおさらです。事業を継続していくには当然収益を出さなければならず、根底から収益構造を見直す必要がありました」。
そうした構造改革に不可欠だったのが、DXに代表されるデジタル技術だ。セルフレジの導入やデジタルによるプライスカードの差し替え、自動発注システムの採用などにより、単純作業はできるだけデジタルに移行。その分、人を減らして一人あたりの生産性の向上を図った。また、社内のコミュニケーションや情報管理の共有もデジタルに切り替えることで、効率化を追求。
2016年の改革から5年余りで生産効率は倍近くまで激変。人口3,000人余りの磐梯町でも、十分に利益を生み出す店舗運営の見込みが立った。

DXによる働き方の変化が生み
出す好循環

生産性の向上により、働き方にも変化が生まれる。
「これまではレジの担当はレジだけを、品出しの担当は品出しだけを行っていたものが、DXの導入により従来に比べて短い時間で担当業務をこなせるようになりました。その分、空いた時間に他の仕事も求められるように変化していきました」。
1人で複数のスキルが求められるマルチスキル化の推進は、従業員にとっての新しい仕事への挑戦につながる。スキルアップした社員には、給与面でしっかり評価することで、働く人たちにとっての好循環を築くことにもつながった。

Freedom of Failure

地域の人たちのコミュティ
としての役割

DXによるスーパーの改革は、セルフレジによる待ち時間の短縮など、お客様への恩恵をもたらした。その反面、高齢者や障がいを持ったお客様へのきめ細やかな対応が疎かになってしまう危険性もある。
「効率だけを追求すれば、店舗を持たずネットで売る方が良くなってしまいます。でも、スーパーマーケットには地域の人が集まるコミュニティとしての役割もあります。地元のスーパーの暖かさや血の通った接客は忘れてはいけません」。
リオン・ドールではどの店舗でも店の一番目立つ場所に、地元の生産者が育てた旬の農産物が並んでいる。また、店舗の入り口には「ときめきマルシェ」というフリーペーパーが置かれ、生産者のこだわりや商品の魅力の発信に努めている。デジタルとは真逆のこうした取り組みが、地域に根差したスーパーマーケットとしてのリオン・ドールの存在を際立たせている。

苦難さえも楽しみながら、
挑戦を続ける

今や、地域住民にとって欠かせない存在となっている磐梯店。懸念されていた収益も安定し、着実に成長を遂げている。ここに至るまで、大胆な改革に対して反発を受けたり、DXが思うように浸透しなかった時期もあったというが、大変だと思ったことは一度もないという住川。
「会社が自由に挑戦させてくれるから、常に楽しみながら仕事ができています。たとえ、失敗したとしても次に向かってどう対処すればいいか考えるのも楽しいんです」。
現在、住川は2023年にリオン・ドールグループに加わったスーパーマーケットの企業再生に尽力中だ。
「お互いの良いところを共有しながら、地域のコミュニティを守っていきたいです。2023年には、3社が仲間に加わったことで、リオン・ドールグループの売上高もさらに増加しました。目標の1,000億に向かって、仲間たちと共に頑張っていきたいです」。住川の挑戦の日々は、これからも変わらずに続いていく。

執行役員 営業部 CXD管掌住川 和行(すみかわ かずゆき)

社歴
2008年 入社 販売部 水産部門配属
2012年 商品部 水産バイヤー
2014年 SV部 水産SV
2015年 販売部 店長
2017年 SS推進室 GM
2018年 執行役員 営業部 CXD管掌
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